WJJ主催「第1回 コーラルジュエリー・キャンペーン」イベント、3月5日(日)〜7日(火)、銀座で開催。(ご来場いただきありがとうございました。終了しました)

世界でNO.1の品質、海外のジュエリーブランドを夢中にする日本のサンゴ。美しさと、文化と、海の環境について知るイベント。

WJJ(ウーマン・ジュエラーズ・ジャパン)では、2023年3月5日(日)〜7日(火)、「コーラルジュエリー・キャンペーン」を開催します。
サンゴは重要な海の資源であり、多様な海洋生物に住処を提供しています。「コーラルジュエリー・キャンペーン」は、ジュエリーとしてのサンゴ、文化としてのサンゴ、そして海の環境を守るために行われているサンゴの飼育や養殖について知っていただく機会となります。会場では、WJJメンバーのうち21名がこのキャンペーンのために制作しました赤、白、ピンクの春らしい新作ジュエリーを出品します。ご家族でご来場ください。

時間:11:00〜19:00(7日は17:00まで)
会場:リッツジュエリー 東京都中央区銀座8-10-8 銀座8丁目10番ビル 7階 TEL 03-3571-1789

WJJ 第1回 コーラルジュエリーイベント

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【会期中のイベントのお知らせ】
5日 13:00〜/  15:00〜 (約30分)
「サンゴの飼育養殖活動について」玉川学園・中学部高等学部 サンゴ研究部 研究発表会
文部科学省スーパーサイエンスハイスクールの指定校、玉川学園のサンゴ研究部の生徒さんがサンゴの飼育・観察・研修活動についてプレゼンテーションを行います。
6日  7日 両日14:00〜(約30分)
「サンゴの魅力〜歴史」 株式会社ワールドコーラル 代表取締役社長 近藤健治様によるセミナー
TV番組「開運!なんでも鑑定団」の宝石珊瑚鑑定士でもあるサンゴのエキスパートに、日本のサンゴの魅力、文化を解説していただきます。
この他、サンゴ・クイズなど予定しています。
*イベントの参加は無料です。お席に限りがありますので、あらかじめご了承ください。

サンゴ研究部

画像:玉川学園 サンゴ研究部提供



サンゴってなあに?

古くから日本人に馴染みの深い宝石と言えばサンゴです。江戸、明治、昭和と女性たちにとってサンゴの帯留やかんざしは憧れのアクセサリーで、特に赤い珠のサンゴが人気でした。

サンゴは大別して宝石サンゴと造礁サンゴの2種類

サンゴは鉱物でも植物でもなく、有機質起源の宝石です。多くの宝石が鉱物であるのに対して、サンゴはサンゴ虫という動物が作った樹枝状の骨格です。サンゴというと、ほとんどの人は、グアムやハワイの海の浅瀬に見える白っぽいサンゴを思い浮かべますが、それは珊瑚礁を形成する造礁サンゴと言われ、ジュエリーになる宝石サンゴとは全くの別物です。造礁サンゴは6本の触手を持つ六放珊瑚という種類で、太陽の光が射し込む浅瀬で光合成を行いながら生息しています。成長が早く、細かい穴が多い軽石のような状態なので、いくら磨いても光沢は現れません。

宝石になるサンゴの種類はわずか5種類のみ

一方、ジュエリーになる宝石サンゴは、触手が8本に分かれている八放珊瑚で、水深100m~1000mもの太陽の届かない真っ暗な深海にひっそりと生息しており、成長が非常にゆっくりで1cm成長するのに50年近くかかる種類もあります。骨格はとても硬く、丹念に磨くと光沢が現れるため、太古の時代から東洋問わず世界中で宝飾品として愛されてきました。

サンゴは長年の時を経て届けられる海からの贈り物。海底には多くの種類のサンゴが棲息していますが、ジュエリーとして使われているのは、赤サンゴ、桃色サンゴ、白サンゴ、深海サンゴ、地中海サンゴのわずか5種類のみです。

世界中の羨望を集める、高知県産の血赤サンゴ

赤サンゴは特に高知県、土佐湾の100~300mの深海に多く生息し、最高級とされる濃い赤色は血赤サンゴ、英語ではオックス・ブラッドとも呼ばれていて高値で取引されています。直径7mm以上は高価で、10mmを超えるものは希少です。欧米のハイジュエリーに使われているものは、高知県産が多いといいます。

最近人気なのが桃色サンゴです。日本人が好きな桜のようなピンクから、赤に近い色、白に近いピンクまで色調は幅広く、天使の肌のような清らかなピンクは別名「エンゼルスキン」と呼ばれています。赤サンゴよりやや深い、日本近海の海底200~500mに生息する桃色サンゴの原木は1.5m、根元の直径は15㎝に達するものもあり、宝石サンゴの中でも最も大きく成長します。

赤いサンゴが情熱的なら、白いサンゴは清楚な気品に満ちています。日本近海で採れるシロサンゴは、乳白色からセピア色、象牙色(淡黄色)のものもありますが、純白のものは特に希少性が高くなります。しかし、最近はほとんど採取されず、市場での流通量も少ないようです。

深海サンゴは、水深1000m以上の深海に生息し、東シナ海、ハワイ諸島で採取され、白に赤の模様や、ピンクに赤が入ったポップで可愛らしい模様が特徴です。深海の急激な水圧と温度の変化にさらされるため、「ヒ」と呼ばれる亀裂が入ることが多くなります。

地中海サンゴは、イタリア、フランスなど地中海全域で採れ、ダイバーが潜って届く水深50mの浅い所に生息しているため、海綿動物の浸食を受けていることがあります。地中海サンゴは日本の赤サンゴに色が似ていますが、枝の直径が約10~15mmと小ぶりなので大きな宝石にはならず、ほとんどが小さなビーズになります。そういった理由もあり、海外のブランドの高級宝飾品には、日本から輸入された宝石サンゴが使われています。

英国皇室でも受け継がれるサンゴのジュエリー

サンゴにまつわる神秘的なエピソードの数々を知れば、もっとサンゴに愛着が湧いてきます。2万5000年前の、ドイツの旧石器時代の遺跡からもサンゴの珠が発掘されています。

鮮やかな赤いサンゴは、ギリシャ神話では、ペルセウスとメデューサの戦いで、メデューサの流した血が海草に触れ、それがサンゴに姿を変えたという記述があり、キリスト教では十字架にかけられたイエス・キリストが流した血の色とされてきました。

病気や災難から身を守る魔除けの効果があると信じられていたサンゴ。古代ローマ時代には、兵士たちが戦地へのお守りとして身につけていたと言われ、インドや中国では医薬品として珍重されました。日本にも奈良時代にシルクロードを通って輸入され、正倉院には聖武天皇が使用したサンゴ玉を配した冠が収蔵されているようです。

歴史をひもとくと、江戸時代後半、それまで地中海産が主だったサンゴの歴史は大きく変わります。高知県の室戸岬沖で宝石サンゴの採取が始まると、高知県が宝石サンゴ産業の中心地に。噂で日本に大きくて質の良い見事な原木があると聞きつけたイタリアのバイヤーが、高知県に直接買い付けに来たといいます。

海のパワーで生命力が高まるとされていたサンゴ。上下左右に枝を伸ばすサンゴのように、子供が伸び伸びと育ちますようにという想いを込めて、ヨーロッパでは母から子に贈られてきたようです。エリザベス女王は、生後間もない頃、母親からサンゴのネックレスを贈られました。英国のロイヤルファミリーでは、王女の誕生から1年間はベッドにサンゴジュエリーを飾るそうです。

石言葉は「幸福」や「長寿」、結婚35周年のプレゼントにも

日本でも、古くから仏教の七宝のひとつであるサンゴは魔除けとして使われ、高知県の一部の地域では、赤ちゃんにお守りとしてサンゴのブレスレットを贈る風習があるようです。サンゴ=産後ということからも、出産や子供の成長を願うお守りとしても使われてきました。石言葉には「幸福」や「長寿」などがあり、アクアマリン、ブラッドストーン、アイオライトと並んで3月の誕生石としても知られています。赤いものを贈る還暦のお祝いや、結婚35周年の珊瑚婚のプレゼントとしても人気があります。

宝石サンゴの採取には公的な許可が必要

宝石サンゴは成長が遅く、1㎜成長するのに数年かかると言われているので採りすぎには注意が必要です。歴史を振りかえると、地中海などさまざまな地域で乱獲の被害に遭っており、2014年には日本の近海で中国漁船による密漁がニュースになりました。

宝石サンゴを採る方法は、おもりをつけた採取網を海中に下ろし、海底のサンゴをひっかけて採る伝統的な方法があり、今は潜水艇や無人潜水ロボットによる採取も行われています。日本での漁では公的な許可が必要で、操業区域の限定や漁法規制、操業期間や時間帯の限定、漁獲の報告義務など乱獲を防ぐための厳しい規制が敷かれ、環境保護に配慮されています。

枯渇が心配される宝石サンゴ、養殖の取り組みに期待

年々採取量が減り続けていて枯渇が心配されるサンゴ。人為的な試みとして、サンゴの養殖の研究が進められています。宝石サンゴの生きた枝先をコンクリート製の円盤基質に埋め込み、放流し数年後に回収するという取り組みが行われています。砂に埋まったり、海流で流されるものもあるようですが、20年後、50年後と木を育てる林業のような長期的な観測が必要だといいます。

サンゴは真珠と同じように日本の宝石

日本のサンゴは、ヨーロッパではモダンな形に研磨され、大振りなネックレスやリングになり、中には堂々とハイジュエリーのコーナーに並ぶものもあります。真珠と同じようにサンゴは日本の宝石であり、今のファッションにも合うことや、何より日本女性の肌にしっくりと馴染むなど、多くの日本女性に知ってもらいたい宝石です。サンゴが途絶えることのないように、その美しさ、希少性を後世に伝えていきたいですね。

Nakano Keiko

Jewelry Osuka

Tokisono

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ウーマン・ジュエラーズ・ジャパン mail@womenjewelersjapan.com
TEL: 03-3411-3091 FAX: 03-5430-5673

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